ダルマイヤー大賞 イキートスV

7月30日(日)に行われたダルマイヤー大賞 Grosser Dallmayr-Preis(2000m, G1, 3歳上)は、Iquitos(イキートス)が制しました。公式の記事はこちらです。

イキートスは今年2戦して2着2回。ともにシュタルケ騎手が手綱を取っていましたが、今回はシュタルケ騎手がP.シールゲン厩舎の Enjoy Vijay に騎乗することが決まっていました。従って、イキートスのグリューシェル師は D.Porcu 騎手に依頼しました。

レースではイキートスはいつも通り後方に待機。4角~直線では、焦ることなくインコースを選択し、ロスなく走りあっという間に抜け出しました。D.Porcu 騎手の見事な騎乗をグリューシェル師は「完璧」と称しました。

今後は9月3日(日)のバーデン大賞から10月1日(日)の凱旋門賞を目指すとのことです。

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ダルマイヤー大賞展望 イキートス復活なるか

夏~秋の古馬G1シリーズ

7月30日(日)ミュンヘン競馬場
Grosser Dallmayr-Preis(2000m, G1, 3歳上)

8月13日(日)ベルリン・ホッペガルテン競馬場
Grosser Preis von Berlin(2400, G1, 3歳上)

9月3日(日)バーデンバーデン競馬場
Grosser Preis von Baden (2400m, G1, 3歳上)

9月24日(日)ケルン競馬場
Preis von Europa(2400m, G1, 3歳上)

11月1日(水)ミュンヘン競馬場
Grosser Preis von Bayern(2400m, G1, 3歳上)

ダルマイヤー大賞展望

いよいよ夏~秋の古馬G1シリーズが始まります。第1弾は、30日(日)にミュンヘン競馬場で行われるダルマイヤー大賞 Grosser Dallmayr-Preis(2000m, G1, 3歳上)です。

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Iquitos(イキートス)

注目は、昨年のドイツ年度代表馬 Iquitos(イキートス)。昨年のジャパンカップで7着と敗れた後、今年すでに2戦しています。しかし復帰戦のバーデン経済大賞 Preis der Badischen Wirtschaft(2200m, G2, 4歳上)、2戦目のハンザ大賞 Grosser Hansa-Preis(2400m, G2, 3歳上) ともに2着。2000mの今回は決してベストな条件ではありませんが、このメンバーでは負けられません。

Noor Al Hawa

昨年12月にカタールダービーを制した Noor Al Hawa も有力です。昨年10月まではドイツやフランスでマイル前後の距離を主戦場としていましたが、2000mのカタールダービーで中距離適性の高さを見せました。4ヶ月ぶりの実戦となった前走のG3戦は3着でしたが、今回は上積みが見込めるでしょう。

Potemkin

昨年シャンティ競馬場でG2ドラール賞、ローマ競馬場でG1ローマ賞と連勝した Potemkin も復活が期待されます。連勝後、休み明けとなったガネー賞では7着とシンガリ負け。初めての大敗を乗り越えて、今回どのようなレースを見せるか注目です。

Enjoy Vijay

今年の独ダービーで僅差の2着だった Enjoy Vijay は、初の古馬との対戦でどこまで戦えるか。3歳世代の代表として、健闘を期待したいところです。鞍上は日本でもおなじみのシュタルケ騎手です。

夏のマイル王は3歳牡馬 Dragon Lips

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16日(日)にケルン競馬場で行われた Meilen Trophy(1600m, G2, 3歳上)を制したのは3歳牡馬の Dragon Lips でした。

1番人気は同じく3歳で今年の独2000ギニーを制した Poetic Dream でした。この日は馬場の真ん中から外を通る馬が多い中、Poetic Dream は外ラチ沿いを突いて一瞬良い脚を見せましたが、外を回ったロスの影響か失速し7着。馬場の真ん中を通り、ロスなく走った Dragon Lips が力強く抜け出しました。

春に初重賞制覇をするなど、充実している Wonnemond が最後まで Dragon Lips を追い詰めましたが、あと一歩届かず2着。Wonnemond の末脚は確かで、再び重賞を制する日も遠くなさそうです。

中10日で臨んだ Millowitsch は疲れが影響したか3着。次走あらためて期待です。

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Meilen Trophy 夏のマイル王決定戦

16日(日)にケルン競馬場で Meilen Trophy(1600m, G2, 3歳上)が行われます。ドイツにはマイル以下のG1レースがなく、このレースがマイル戦最高峰という位置づけです。

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Pas De Deux(7歳騙)

2015年に重賞2勝、2016年に重賞2勝(フランスで1勝)している実力馬。ただ今回は昨年9月以来の実戦で、本来の実力が発揮できるか。

Degas(4歳牡)

1勝馬ながら、重賞で2着6回、3着1回と堅実な走りを見せる同馬。悲願の重賞制覇なるか。

Diplomat(6歳牡)

昨年ローマでG2を制したものの、ドイツ国内では苦戦。

Millowitsch(4歳牡)

10戦6勝の同馬は7月5日(水)にハンブルク競馬場で重賞2勝目を上げ、中10日で参戦。前走はスプリント戦ながら2着に2馬身以上つける完勝。実力は申し分なし。体調が万全であれば。

Nordico(6歳牡)

2~4歳時にG3を3勝した同馬も、近年は重賞で苦戦続き。

Wonnemond(4歳牡)

昨年から今年にかけて5連勝し、重賞初制覇を果たした。その後2着、3着、6着と精彩を欠いているが、復活があっても不思議でない。

Poetic Dream(3歳牡)

3戦2勝3着1回。今年の独2000ギニーを制し、ここへ参戦となった。古馬との初対決でどこまでやれるか。

Aufsteiger(3歳騙)

11戦1勝で今回が重賞初挑戦。さすがにここでは相手が悪い。

Dragon Lips(3歳牡)

4月にG3を制し、独2000ギニーでは4着。前走のG3は古馬との初対決で4着と健闘し、Wonnenmondに先着した。

独ダービー Windstoss 大外一気決めた

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2日(日)にハンブルク競馬場で行われた独ダービー Deutsches Derby(2400m, G1, 3歳)は、4番人気の Windstoss がゴール前で大外から強襲して接戦をものにしました。鞍上の M.Pecheur 騎手は26歳にしてダービー初制覇。M.Klug 師は Sea The Moon で制して以来2度目。

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レースは残念ながら Langtang が軽い怪我のため出走を回避して18頭立てでした。

道中では、各騎手が内にこだわらずポジションをとり、シュタルケ騎手鞍上の Enjoy Vijay が最終コーナー手前で外から押し上げ、直線で早々に先頭に立ちました。後方に待機していた Windstoss は、直線で迷うことなく馬場の真ん中を選択。一完歩ごとに差を詰め、ゴール前で見事に差し切りました。

レース中の転倒事故の6日後の前走は、2着に残る強い内容でした。3歳になり大成長を遂げた Windstoss の今後が楽しみです。

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独ダービーは19頭立て 混戦模様

7月2日(日)にハンブルク競馬場で行われる独ダービー Deutsches Derby(2400m, G1, 3歳)は19頭立てになりました。本命不在の混戦模様です。上位争いが期待される馬を紹介します。

1番(17番枠)Colomano

ケルンでのトライアルレース Oppenheim-Union-Rennen(2200m, G2, 3歳) を制した Colomano は17番枠に入りました。鞍上は Helfenbein 騎手で、2014年に独ダービーを制したシーザムーンの主戦を務めていましたが、落馬による負傷を懸念され、独ダービーでは乗り替わりとなった過去があります。この大一番にかける想いは計り知れません。外枠での発走となりますが、ベテランらしく落ち着いた騎乗に期待です。

2番(11番枠)Windstoss

前走、Colomano の2着だった Windstoss は、最後まで力強い粘りを見せました。前々走でレース中に転倒した6日後だっただけに、順調だったらと思わずにいられない健闘ぶりでした。11番枠からの発走です。

3番(7番枠)Langtang

ここまで5戦3勝2着2回と、抜群の安定性をもつ Langtang は、7番枠と比較的良い枠に恵まれました。ただ今回は主戦の E.Pedroza 騎手が同厩舎の Warring States に騎乗するため、今回は J.Bojko 騎手が手綱をとります。J.Bojko 騎手とのコンビは過去2戦あり、G3勝ちもあるため、不安はないでしょう。最有力の一頭です。

4番(16番枠)Northsea Star

Northsea Star は今回が4戦目。デビュー勝ち後、重賞を2戦して着実に力をつけている印象です。シーザスターズ産駒の底力には魅力があります。16番枠からの発走です。

5番(4番枠)Warring States

Warring States は日本でも話題となっているハクサンムーンの半弟です。ミュンヘンでのトライアルレース Bavarian Classic(2000m, G3, 3歳)を制し、1番人気で臨んだ Oppenheim-Union-Rennen(2200m, G2, 3歳) では Colomano の4着でした。母父サクラバクシンオーの血がハンブルクでの2400mでどのように影響するのか未知数ですが、絶好の4番枠からロスなく競馬ができればチャンスが開けるでしょう。

6番(12番枠)Enjoy Vijay

シュタルケ騎手が騎乗するのが Enjoy Vijay です。前々走の Bavarian Classic(2000m, G3, 3歳)では Warring States の僅差の2着と健闘しています。前走の Ittlingen Derby Trial(2000m, G3, 3歳)では Langtang から3馬身差の6着でした。名手シュタルケ騎手に導かれて上位に食い込めるでしょうか。

12番(18番枠)Parviz

 ハノーファーで Derby Trial(2200m, L, 3歳)を制したのがこの Parviz です。外ラチ沿いから鋭い末脚を伸ばしての快勝でした。ここまで3戦2勝。キャリアは浅いですが、成長力に期待です。

13番(1番枠)Sargas

ハノーファーでの Derby Trial(2200m, L, 3歳)で Parviz の2着でした。当時まだキャリア2戦目だったことを考えれば、上出来といえるでしょう。今回は絶好の1番枠からスムーズな競馬をすれば、十分に上位争いができます。

参考レース:4月9日 Derby-Trial(デュッセルドルフ)

参考レース:5月1日 Bavarian Classic(ミュンヘン)

参考レース:5月28日 Ittlingen Derby Trial(バーデンバーデン)

参考レース:6月5日 Derby Trial(ハノーファー)

参考レース:6月11日 Oppenheim-Union-Rennen(ケルン)