バーデン経済大賞 Guignol 鮮やか逃げ切り

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28日(日)にバーデンバーデン競馬場で行われたバーデン経済大賞 Grosser Preis der Badischen Wirtschaft(2200m, G2, 4歳上)は、Guignol が鮮やかに逃げ切りました。レースの写真はこちら

鞍上にシュタルケ騎手を迎えたイキートス(Iquitos)は最後方からレースを進め、直線半ばから鋭く伸び、一気に先頭の Guignol をとらえる勢いでした。しかし Guignol が脅威の粘りを見せ、最後まで先頭を譲らずゴールイン。昨年のバイエルン大賞がフロックでないことを証明しました。

人気を集めた Dschingis Secret はイキートスを意識するように後方から2番手を追走したものの、直線で伸びを欠き5着。残念な結果に終わりました。

(追記)

公式の記事によると、イキートスのハンズ・ユルゲン・クレッシェル(Hans-Jürgen Gröschel)師は次のように語っています。

「最後方から強い競馬をして満足をしている。ひと叩きしていたら負けなかっただろう。次は(7月1日の)Grosser Hansa-Preis(2400m, G2, 3歳上)に向かう。」

バーデン経済大賞展望

28日(日)にバーデンバーデン競馬場でバーデン企業大賞 Grosser Preis der Badischen Wirtschaft(2200m, G2, 4歳上)が行われます。残念ながらサヴォワヴィーヴル(Savoir Vivre)は体調が戻らずに回避となりました(記事はこちら)。出走馬は6頭ですが、強豪が揃いました。

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Guignol

 昨年11月のバイエルン大賞 Grosser Preis von Bayern(2400m, G1, 3歳上)で最低人気から鮮やかな逃げ切りを果たしたのが Guignol です。昨年、G2では堅実に上位争いをし、夏のベルリン大賞 Grosser Preis von Berlin(2400m, G1, 3歳上)では2着のナイトフラワー(Nightflower)からおよそ1馬身差の3着と健闘していました。バイエルン大賞以来の実戦となった前走のガネー賞では、およそ5馬身差の8着と敗れています。一叩きして一変することは十分に考えられ、陣営もバイエルン大賞の再現を狙っていることでしょう。

Iquitos

7着に敗れたジャパンカップ以来となるのがイキートス(Iquitos)です。昨年のドイツ年度代表馬に選ばれた実力馬で、これまでバーデンバーデン競馬場で3戦3勝と、抜群の相性を誇っています。昨年G1初制覇を果たしたバーデン大賞 Grosser Preis von Baden(2400m, G1, 3歳上)の後、G1を連戦して5着、4着、7着と結果を出せませんでしたが、リフレッシュして臨む今回は復活が期待されます。

Dschingis Secret

 前走、サヴォワヴィーヴル不在の Gerling-Preis(2400m, G2, 4歳上)を圧勝したのが Dschingis Secret で、連勝中の同馬はもっとも勢いがあると言えるでしょう。これまでのキャリアで大崩れしたのはバーデン大賞のみで、タフな馬場に不向きだったのかもしれません。今回はパンパンの良馬場が予想されており、力を発揮できることでしょう。

Devastar

Devastar はこれまでG3を中心に活躍してきました。昨年は8戦してすべて5着以内で、G3勝ちもある堅実なタイプです。G2への挑戦は昨年のバーデン経済大賞 Grosser Preis der Badischen Wirtschaft(2200m, G2, 4歳上)以来で、当時はイキートスから5馬身離れた4着でした。力をつけた今、その差はどこまで縮まったか。

Va Bank

 ポーランド調教馬として、昨年8月、11戦無敗でバーデンバーデンの重賞 Preis der Sparkassen Finanzgruppe(2000m, G3, 3歳上)に挑戦し、強豪 Potemkin を押さえて見事に勝利。大きな衝撃を与えました。レース後にはオーナーが「来年のバーデン大賞で走らせたい」と語っており、今回は大きな意味をもつ一戦となります。4月にベルリン・ホッペガルテンの準重賞で4着と敗れていますが、ここを目標に仕上げてきたでしょうし、要注目です。

Wai Key Star

昨年5月のバーデンバーデン競馬場でのダービートライアル Ittlingen Derby Trial(2000m, G3, 3歳)で強烈な勝ち方を見せ、独ダービー Deutsches Derby(2400m, G1, 3歳)で2番人気に支持されたものの4着と敗れましたが、その後ハノーファーでの3歳G3戦(レース動画参照)を制しました。その後は精彩を欠きG3、準重賞で5着と続いています。前走は休み明けであることを考えれば、今回が正念場となります。

独2000ギニーを制したのは Poetic Dream

※ドイツ国内の3歳の主要レース一覧はこちら

21日(日)にケルン競馬場で行われた独2000ギニー、German 2000 Guineas(1600m, G2, 3歳)を制したのはキャリア3戦目の Poetic Dream でした。

1番人気はイギリス調教馬の Lockheed で、先手をとってペースを支配する流れでした。直線で Empire Of The Star に並ばれてからもしぶとく粘り、振り切ってゴールに飛び込むかと思われましたが、内から Poetic Dream が猛追。最後はわずかに Poetic Dream がかわしました。Poetic Dream は直線でスペースが無く窮屈な競馬となりましたが、前が開いてからの脚は素晴らしいものがありました。

Poetic Dream は3月にデビュー勝ちを収めた後、フランスの平場で3着となっていました。キャリアがまだ浅く、今後の成長力に期待できそうです。

日本産 Promise Of Peace 初勝利

14日(日)にクレフェルト競馬場で行われた未勝利戦で、日本産の Promise Of Peace(父キングカメハメハ、母ピースオブワールド)が初勝利を挙げました。

Promise Of Peaceはこれまで3戦してすべて2着で、これが今期2戦目でした。

イキートス 次走の鞍上はシュタルケ騎手

こちらの記事によりますと、5月28日(日)にバーデンバーデン競馬場で行われる古馬のG2戦 Grosser Preis der Badischen Wirtschaft(2200m, G2, 4歳上)に出走予定のイキートス(Iquitos)の鞍上がシュタルケ騎手に決まったとのことです。

これまで主戦を務めてきた イアン・ファーガソン(Ian Ferguson)騎手が病気のためということで、シュタルケ騎手は代打での騎乗となります。

「シュタルケ騎手には今後も乗ってもらいたいが、彼は所属厩舎との兼ね合いもあるから。」とグリューシェル(Gröschel)師は語っています。

グリューシェル師のコメントを読む限り、どうも一度きりの代打ではなさそうで、ファーガソン騎手がどのような病状なのか気になるところです。

サヴォワヴィーヴル取消 ケルンG2制したのは Dschingis Secret

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7日(日)にケルン競馬場で行われた Gerling-Preis(2400m, G2, 4歳上)は、サヴォワヴィーヴル(Savoir Vivre)が熱発のために出走を取り消し、昨年の独ダービー3着の  Dschingis Secret と6歳のG1馬 Sirius が人気通りの1、2着と固く決着しました。

レースは Dschingis Secret の圧勝で、余裕の手応えから突き抜けました。Dschingis Secret は昨年の独ダービーで3着の後、バーデン大賞で9着と大敗したものの、10月にミラン競馬場でのG3戦を制してシーズンを終えていました。

2着の Sirius が今シーズン2戦目であることを考えると、休養明けで2着以下に4馬身をつけた Dschingis Secret はここでは力が違ったと言えるでしょう。

出走を取り消したサヴォワヴィーヴルについてですが、こちらの記事によると、「昨晩38度の熱が出た」とJ.カルバロ師が語っています。今後は5月28日(日)にバーデンバーデン競馬場で行われる Grosser Preis der Badischen Wirtschaft(2200m, G2, 4歳上)を目標にするそうですが、いきなりイキートス(Iquitos)との対決が実現することになり、間違いなく盛り上がることでしょう。

また、記事の中で、J.カルバロ厩舎所属の Moonshiner について触れていますが、8日(月)にサンクルー競馬場で行われる Prix d'Hédouville(2400m, G3, 4歳上)に出走します。6頭立てで、上位人気になりそうです。

german-racing.hateblo.jp

ケルンG2戦にてサヴォワヴィーヴル始動

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7日(日)にケルン競馬場で古馬の王道路線第1弾、Gerling-Preis(2400m, G2, 4歳上)が行われます。出走馬は8頭です。

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サヴォワヴィーヴル始動

注目は1番のサヴォワヴィーヴル(Savoir Vivre)です。昨年の独ダービーで鼻差の2着の後、フランスでG2ドーヴィル大賞を制覇。凱旋門賞では8着と敗れましたが、3歳では最先着でした。11月のバイエルン大賞 Grosser Preis von Bayern(2400m, G1, 3歳上)では、のちにジャパンカップで7着となったイキートス(Iquitos)を押さえて1番人気に支持されたものの、5着に敗れました。

今回はデビューから2戦手綱を取っていたF.Minarik騎手を鞍上に迎えました。昨年は精神的な幼さを露呈して、レースで力を存分に発揮しきれなかった印象の同馬ですが、4歳になり、ドイツの古馬勢をリードするような大活躍を期待されています。1年前にデビューしたケルン競馬場で、再び輝かしいスタートを切ってほしいものです。

サヴォワヴィーヴルの参考レース

●前走:バイエルン大賞 Grosser Preis von Bayern(2400m, G1, 3歳上)5着

●前々走:凱旋門賞 Prix de l'Arc de Triomphe(2400m, G1, 3歳上)8着

●3走前:ドーヴィル大賞 Grand Prix de Deauville(2500m, G2, 3歳上)1着

●4走前:独ダービー Deutsches Derby - Gruppe(2400m, G1, 3歳)2着